雪上訓練で谷川岳周辺へ

2019年の雪上訓練を会で実施、私がリーダーであったので、新人を中心に基本的な雪上歩行など行った。翌日は、高倉尾根を登った。


今年も谷川岳周辺で、雪山を安全に登るための基本的な訓練を、ENさんとYOさんを中心に実施した。2日目は、高倉山・三岩山・吾妻耶山の3案を提出、天候と積雪量を考慮、現地で判断して高倉山に決めた。

■期間:4月6(土)~7日(日)■山域:上越・谷川岳周辺  ■地形図:茂倉岳・水上  ■天候:6日=晴れ、風は冷たい 7日=高曇り~晴れ、比較的暖かい

■メンバー:L=NN SL=CM  YT・SO・EN (以上5名2日間参加)

6日のみ参加:HT・TT・YO   7日のみ参加:KK

■行動&コースタイム

6日(土):土合駅集合9:54…11:00身支度後出発…登山センター…マチガ沢12:15…雪上訓練 (雪上歩行 ピッケルの使い方 滑落停止 耐風姿勢など)…14:10マチガ沢の斜面を登る…15:05西黒尾根…16:00ロープウェイ駅でTさん夫妻、YOさんと別れる…16:30土合駅…KK到着…土合駅泊

7日(日):6:20土合駅…6:45ロープー駅荷をデポ…7:20戻って高倉尾根末端…鉄塔2基…11:15高倉山11:35…12:00ロープウェイ山頂駅→荷物整理・反省会→バス14:05→14:27水上駅15:53乗車で帰京  ※細かい休憩は記載せず、大まかなタイムです


6日:土合駅も人気があるのか、上越線の車両も増え、登山客以外の方々も多かった。もぐら駅の階段も、私はストックを突いてゆっくり登った。土合駅で必要な装備を持ち、その他の荷はデポして、マチガ沢へ向かう。途中の林道も雪の付き具合が悪いところも歩けば、練習になる。マチガ沢への林道途中でTさん夫妻と合流できた。マチガ沢では、3パーティーが、完全装備(ヘルメットやハーネス、ロープなど)で訓練しており、その先の足跡の無い斜面で、訓練を実施した。私達は、ハーネスは付けずに訓練した。

<マチガ沢への林道>

斜面の登り方や、方向転換の仕方などピッケルの使い方と歩き方を交えてENさんとYOさん中心で練習した。私は、膝が曲がりきれないので、CMさんやSOさんがモデルになって動きを見せて、滑落停止の姿勢など示し、積極的に繰り返し滑落停止の練習をした。ベテランの方々も、それぞれのペースで訓練に参加。午後2時を回ったので、マチガ沢での訓練を終了。

<滑って回ってピッケルを差す>

<訓練後のボコボコの斜面で>

Tさん夫妻達と分かれて、訓練していた斜面を西黒尾根に向かって登り始めた。結構な急斜面で、固い雪面があったり、深くもぐったりしながら少しのヤブを越えると、西黒尾根に出た。ここでもテントを張って、斜面で何人かが訓練をしていた。以前、この西黒尾根で2回程、雪洞で泊まったことを思い出した。

<マチガ沢からの輝く谷川岳>

あとは、西黒尾根を土合駅まで下るだけであるが、私が想定していた鉄塔付近よりかなり上部に到達していたので、西黒尾根の下りも長くなり、それもまた良い練習になったと思う。ロープウェイ駅で、日帰りのメンバーと別れ、ビールなど購入して土合駅へ向かう。駅では、他のパーティーも泊っていた。ブランデー持参で、夜にKKさんが合流。

7日:CMさんと相談して、一時雨の天気予報や、人数的に一台のタクシーに乗れないなどの条件で、高倉山へ至る尾根(以後高倉尾根と呼ぶ)を登ることに決めた。高倉尾根の情報はなかったが、古い地形図やエアリアマップには破線がある。ロープウェイ新装時に通行不可なったのかも調べたが、大丈夫そうなので提案した。天候が悪化したなら、尾根の途中で戻ればいいし、タクシーで入らない分時間的にも余裕ができる。もちろん、前日高倉尾根の取り付も確認していた。

一度ロープウェイ駅まで行き、不必要なものをロッカーに入れてから、また少し戻って高倉尾根に取り付く。雪を拾って尾根に出ると、鉄塔も2基あるので巡視路の踏み跡もばっちりあった。下部は痩せ尾根であったが、夏道が出ていたので分かり易かった。その先は、少々薮が出てきたが、標高1000mを越えると雪も安定して出てきて、尾根も広くなってきたので歩きやすかった。トップをベテランのメンバーが交代で膝下位のラッセルで進み、ゴンドラやトンネルの通風孔、天神平スキー場を横目に登って行った。谷川岳も終始どっしりした山容で聳えていた。上部はブナも出てきて、気分よく自分たちだけのトレースを残して登れた。動物の足跡も多く見受けられたし、途中で熊棚もあった。

<広くなった尾根で一休み>

<熊棚>

やがて、白くて丸いアイスクリームみたいな高倉山の山頂に至った。山座同定をしたり、記念写真を撮ったり、私達だけの空間を愉しんだ。

<谷川岳を従えて山頂で>

下山は、ロープウェイ山頂駅までスキー場リフトの脇を通って、ロープウェイを利用した。ロープウェイ駅で荷を整え、反省会をしてからバスで水上駅に出て帰京した。雪質により、アイゼン訓練ができず残念であった。高倉尾根をトレースしてみて、候補の三岩山の方が多少難しい印象が残った。新人の訓練には半日で登れるので、高倉尾根は適していると思った。

膝痛で通院中の私は、2日間のリーダーは重荷であったが、サブリーダーや参加したメンバーの協力、そして天気と山も味方につけて、予定通りの内容を遂行できて満足している。が、今回はあくまで訓練、5月の雪山の本番はもうすぐである。

<高倉尾根からの早春の谷川岳>

アイキャッチ画像=高倉尾根で出会った小動物の可愛いトレース。