ラッセル、ラッセル、しかし男鹿岳は時間切れで撤退

2017年3月18日夜発~20日

静かな雪山を味わいたくて、MKさんに企画していただいた。kHさんは、細く小柄であるが、岩も登れてラッセルも大好きという女性であり、とにかく頼もしい。偶然であるが、彼女の父方の生家の前を通過した。なんでも小さい頃は男鹿川で遊んだらしい。ネットで調べると、福島県側の大川峠方面から登る記録が多いようだ。初めての山域であり新鮮さはあったが、天候に恵まれず手強い雪山となった。

******************************************●日時:2017年3月18日夜発車利用~20日 ●地形図:栗生沢・日留賀岳

●メンバー:L=KH SL=NN KK MK

●天候:19日曇り~ガス、20日ガス~曇り下山時、晴れ間がのぞく

●日程とコースタイム:

18日=20時東所沢駅集合、車で移動→1:00那須の道の駅で仮眠。

19日=6:30道の駅→8:00ワイルドフィールズおじかキャンプ場駐車場…長い林道…11:15尾根に乗る…16:00稜線テント場設営、泊。

20日=6:15テント場…7:00ひょうたん峠北側の県境尾根…8:15KKさんとNNは1754m手前で撤退、KHさんとMKさんは1754m直下まで偵察後戻る…9:30テント場撤収10:30…13:00林道に出る…キャンプ場駐車場15:30→中三依温泉に立ち寄り帰京、東所沢駅解散。

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ラッセルに励むメンバー

キャンプ場から歩き始め、横川遊牧場を過ぎ、長い長い男鹿川沿いの男鹿山林道上は、スノーシューの跡が登りも下りも残されていた。その方々はルートは異なり、林道末端から男鹿岳に登った記録が帰宅後調べたらヤマレコにあった。

橋を何回か渡り、1010m辺りで林道から登る尾根を見つけ、灌木の間の尾根筋を進めそうなので、KHさんトップでワカンで進む。ほとんどトレースが無かったので、下山時に迷わないよう赤布も付けた。初日は荷が重いので、ワカンを履いても踏み抜いたり、足が攣ったりして、本当は交代したかったが、ほとんどKHさんにルートを作って登った。林道歩き3時間+尾根5時間、もちろん休憩はとったがキツイ登りであった。ようやく稜線に出て1642m手前あたりでテントを張った。食事担当でもあったので、夜はトン汁、朝はうどんにした。美味しいお酒をちびちびと味わい、静かな白い世界でまったりと過ごして1日の疲れを癒した。周囲はガスに包まれたままであった。

翌朝、ガスで遠目が見えない状況であったので、少し出発時間を遅らせた。テントは念のため潰しておいた。ひょうたん峠から北の男鹿岳に続く稜線に出てから、東側に派生している雪庇に注意しつつルートを交代でトップを歩く。その間もやはり赤布を数か所付けた。帰りには赤布は全て回収した。
天気は変わらないが、時折陽が一部に差し込むと、素晴らしい雪景色に目を奪われる。が、那須連山や大佐飛山など周囲の山は判別できなかった。男鹿岳手前の1754m峰が望めるところまで来たが、男鹿岳まで往復で1時間以上かかるのではないかと私は判断し、下りの時間を逆算してKKさんと戻ることにした。まだ元気な二人は1754m峰の直下まで偵察してきた。下の写真、白い三角が1754mで、人物は撤退するKKさん。男鹿岳は、左手の丸い峰である。 1754mは、ピークを巻いて登れたのではないかということで、残念ではあるが時間切れである。下りはあっという間で、テント場に着くころは天候も回復してきて、なんとそこから男鹿岳が望めたのである。下の写真参照。視界が有る無しでは、精神的にも肉体的にもえらい違いである。

テント場からの下りは、私達のトレースが見え隠れしていたので、迷わなかったが、林道の長さには閉口した。その林道は、落石注意で気が抜けないのだ。キャンプ場駐車場で身支度をとき、中三依温泉で身体を温めてから帰途についた。運転、トップとKHさん大活躍である。今シーズンの雪山で一番しんどかった山行であった。