静寂の奥秩父の森を歩く

当初北アルプス方面の予定が、諸事情で頓挫したので、急遽このルートに変更となった。私は帰省中で資料が無かったので、他のメンバーに計画していただき助けられた。


●期日&天候=2017年8月19日(土)晴れ~曇夜降雨 20日(日)曇とガス

●山域=奥秩父 ●地形図=金峰山 川浦 ●山行形態=テント泊1泊2日縦走

●メンバー=L:IM   MK  NN(女3人)

●ルート&コースタイム

8/19=高尾駅8:10→塩山駅9:15→乗り合い小型バスで柳平乗り換え大弛峠11:15・・・前国師岳12:03・・・三繋平12:10・・・12:23国師ヶ岳12:30・・・三繋平12:55・・・13:00北奥千丈岳13:10・・・14:05奥千丈岳14:30・・・石楠花新道・・・鶏冠林道白檜平15:20・・・水汲み後テント設営16:00

8/20=白檜平5:00・・・5:32ゴトメキ5:40・・・7:25大ダオ7:40・・分岐・・・8:53黒金山9:05・・・分岐・・・笠盛山10:05・・・10:50水ノタル11:00・・・11:25乾徳山11:30・・・12:25扇平12:35・・・車道出合13:08・・・道満尾根・・・13:40道満山13:50・・・徳和峠14:35・・・徳和登山口バス停15:00→15:08バスで塩山駅へ、塩山温泉と駅前食堂に寄り19:04塩山駅発で帰京


●所感

塩山駅から予約した小型バスに乗車、柳平で乗り換えて大弛峠へ(1800円)。大弛峠の駐車場は満車に近く、盛況であった。大弛小屋からは木の階段を登り、眺めの良い夢の庭園を通り、前国師を経て三繋平にザックをデポして国師ヶ岳(▲2591.9m)山頂へ。金峰山の五丈岩も望めた。そこから、奥秩父最高点の北奥千丈岳(▲2601m)までは踏み跡も明瞭で人もいた。

<大弛小屋>

<国師ヶ岳で>

<国師が岳を見る、中上の岩の部分が山頂>

<奥秩父最高峰・北奥千丈岳で>

樹林帯の中の奥仙丈岳(▲2409.6m)は三角点があるが、翌日黒金山で檜尾登山口からの登山者2名に出会うまでは誰にも会わず、静かな山旅であった。シラベ、シラビソ、トウヒ、コメツガなどのいかにも奥秩父という風情の深い森は苔も見事である。

森を抜けるとやがて白檜平で、林道鶏冠山線に降り立つ。5分ほど西側に歩くと沢筋に水を取る黒いホースがあったので、そこから水を汲んで、ゴトメキへの標識の所に戻りテントを設営した。夕食はIさんの野菜炒めとサラダ他で済ませ、ちびちび飲みつつ私はうとうとする。9時前に就寝、星も見えていたが夜半雷雨もあった。が、朝方は止んでいて助かった。一般車通行禁止の林道は、それでも業務用車両とバイク (?)が数台通過していた。

<三角点がある奥千丈岳は樹林の中>

<白檜平、林道脇のゴトメキ方面への標識の所にテントを張る>

雨具を着たが朝露で濡れるし、先頭は蜘蛛の巣も払わなければならない。遭難碑のあるゴトメキから大ダオの間は、尾根も広く迷いやすいので、笹原や枯れ木の中のテープなどに導かれて慎重に進んだ。足元に届く朝の光芒が、とても美しかった。途中尾根をトラバース気味になり、KさんのスマフォのGPS機能で確認して修正できた。

大ダオは笹原のど真ん中で、本来なら富士山も見えるのだが、雲に覆われガスに包まれた。そこから再び樹林に入ると黒金山分岐で、荷を軽くして黒金山(▲2231.8m)を往復、黒金山で久しぶりに人と会う。ここもガスで展望が無く残念ではあった。が、天気が持っただけ幸いであった。また黒金山分岐に戻り、笠盛山を目指して南下する。笠盛山(▲2072m)では、元気な大阪からの女性パーティーにあう。乾徳山手前の迂回下山路分岐の水ノタルで、岩場に備えて休憩を取る。

<遭難碑もあるゴトメキ=御止木分岐>

<尾根は広くなり、スズタケの中を歩く>

<大ダオの賑やかな標識には、鹿の角も>

<ここから黒金山をピストンした>

<ガスで何も見えない黒金山(>_<)>

<笠盛山>

岩場に付けられた梯子や鎖を登って、私には3度目の乾徳山(▲2031m)山頂に着いた。岩場を通らない迂回路も設けられている。頂上直下の鳳岩しか覚えてなかったが、下降ルートには雨乞岩、雷岩、髭剃岩、胎内岩などがあり、ごろごろした登山道を下ってゆく。

<展望0の山頂>

<山頂からの鎖場を下る>

<テント装備での岩場の昇り降りは大変>

草原の扇平に出て、道満山尾根コースで下山、途中林道を数回横切って登山道は付けられていた。道満山(▲1314.1m)まで降りると、あと少しで徳和峠である。徳和峠から車道に出ると、バス停までの間に湧水があり、冷たくて美味しかった。すぐにバスが来たので乗車、塩山駅に到着。駅から7分ほどの塩山温泉・宏池荘(400円)で汗を流して、駅前の食堂で打ち上げをして帰京した。乾徳山は、樹林あり、岩場あり、草原ありで変化があって楽しい山である。

<塩山温泉は地元のおばさんで賑わい、源泉も気持ち良かった!>

私としては、国師岳も黒金山も初めてであったので、充実した2日間であった。たしか映画『春を背負って』の原作は、石楠花新道辺りでなかったか。奥秩父の鬱蒼とした森は、物の怪が潜んでいるような雰囲気であった。2日目が展望がなくて残念であったが、この山域にはシャクナゲやツツジの頃、あるいは雪の頃に再訪してみたくなった。

<朝の光芒射す奥秩父の静寂の森>

<アイキャッチ画像:檜平のホタルブクロ>