秩父の冠岩沢で沢登り

台風が去ったあと、なんだか涼しく爽やかになったが、まだまだ沢登りを愉しみたいと計画。メンバーを募ったが、結局二人だけであったが、力強いメンバーのおかげで、滝も登ることができた。


●日時:2018年8月19日(日)●山域:秩父 荒川水系浦山川冠岩沢 ●形態:日帰り沢登り

●天候:晴れ  ●メンバー:L=NN SO  ●地形図:武蔵日原 秩父

●資料:『東京起点沢登りルート120』『奥秩父・両神の谷100ルート』他ネット情報

●装備:沢登り基本装備 ロープ9㎜×25m1本 ハーケン ハンマー

●ルート&コースタイム

西武秩父駅8:18着→タクシーで冠岩橋8:48…壊れた作業小屋と橋と標識9:05…9:33身支度・入渓9:55…最初の3m滝(ロープ)10:00…赤い石10:28…左岸に水が噴き出す10:38…2段15m滝(ロープ)10:58…5m滝(ロープ)11:25…とい状滝12:00…25m大滝12:05…左岸を巻き沢に降りる12:22…2段6m滝12:40…8m滝12:48…13:32登山道・靴を履き代え出発13:50…横倉山(▲1197m)13:54…送電鉄塔14:36…廃村・冠岩集落14:58…冠岩橋15:14…15:28浦山大日堂バス停・着替え15:48…15:52大日堂お参り…16:00浦山大日堂バス停→西武秩父駅16:35→16:51急行池袋行乗車

※防水カメラ使用でも、レンズが濡れてぼやけた箇所が多々ありますのでご容赦を…。


以前計画しようとしたが、公共交通機関ではバスが浦山大日堂までなかったので、日帰りはきつかった。今回も休日はバスが早い時間にないので、入山をタクシー利用にして時間を短縮し、浦山大日堂バス停を16:00発に乗車するべく、休憩時間もタイトにして歩いた。

西武秩父駅からのタクシーは予約しなかったが、休日でもタクシー乗り場ですぐに乗車できた。冠岩橋まで4330円。橋のプレートが草で覆われていたので、払いのけて確認した。

<冠岩橋>

冠岩橋から、通行止めのある左手の県道73号線の林道を進むと、壊れた作業小屋跡と橋と出会う。橋を渡ったところに標識がある。沢沿いの踏み跡を進み、3mの滝が見えたが、その手前で身支度をして入渓した。

<橋を渡ってから振り返る>

<根元が腐りかけている標識>

歩いて行くと、山は自己責任のポスターが木に付いていた。計画書提出や装備確認、地図持参は当然の事です。

<山は自己責任>

最初から、正面の滝のシャワークライムはキツカッタので、右の滝から登る。滑りそうなので、私は早々にロープで確保していただく。

<最初の滝>

以前、近くの大持沢の時も同様この様な赤い石が所々見受けられた。この先で右手に水が噴き出しているところがあり、そのあたりに古いガイドブックでは、冠岩の岩峰マークがあったが分からなかった。

<水流に鮮やかな赤い石>

輝く2段15m滝と出合い、水流の左の窪を利用してロープを出して登攀。

<2段15m滝>

ハーケンは2か所に認められたが、1か所のみ使用で切り抜けた。トップを登るSO氏が、支点を通しているところです。確保体制でも、始末を浴びて寒い位な状況であった。

<15m滝登攀>

15m滝をひと登りしたら、右手の次の5m滝も2歩くらいが滑りやすいので、私はロープを出してもらう。その上5m滝は、水流の左側を楽に越えられた。

<5m滝を登る>

その先で、とい状の滝が見え始め、右にワサビ田を分けた所で休みを取った。とい状の滝は難なく登れ、進むとすだれ状大滝25mが迎えてくれる。

<とい状の滝を登る>

SO氏は、25m大滝を登りそうにしていたが、ハーケンも1枚だけしか持参しなかったので、あきらめて右から高巻いた。通常は巻くんです。

<すだれというよりは水量はあった25m大滝>

25m大滝を巻いて降りたら、こんな穏やかな流れになっていた。

<25m大滝の落ち口上で>

次に現れた2段6m滝も登れる。

<2段6m滝>

最後は8m滝で、右から巻いた。この沢では、登れる小滝は数えきれないほどあった。

<一番奥が8m滝>

最後まで水流を辿って登ってゆくと、やがて源頭部である。源頭は、紅葉の時期が勧められているのが納得するような、明るい広葉樹林であった。斜面をせり上がると、ヤブ漕ぎもなく登山道に出た。下の写真左側の斜面から登山道へ出た所は、大持山の頂上近くで予定より北に着いたようだ。人物の背中側が大持山方向である。ここで、靴を履き代え、軽く食べてから、登山道を鳥首峠方面へ歩き始めた。

<登山道に出た>

すぐに、横倉山に着いた。

<横倉山>

登山道を先に進み、標高1150mでケルンや赤テープを見かけた。地形図を睨んで、標高と方向をコンパスで確認、かすかな踏み跡を下って冠岩沢の左岸の尾根に入ってゆく。踏み跡たよりに歩きやすい所をどんどん下ってゆくと、広葉樹から植林帯に変わり、標高870m付近では右に引き込まれないように、またここでコンパスを合わせた。下に鉄塔が見えてきたので、そこを目差して更に植林帯を下ってゆくが、ここは仕事道をそのまま鉄塔に出ずに降りた方が早かったかもしれない。鉄塔辺りは、切り開かれていて明るい。

<使われてない?鉄塔>

急な斜面の仕事道を降りてゆくと、やがて冠岩集落の後に出た。入渓の際は沢沿いの踏み跡を辿ったので、どうも廃村の下部を通過したようだ。

<冠岩集落跡>

集落を見守る風情ある祠や仏像が、鎮座してました。

<守り神>

集落跡から入渓した時の踏み跡に出たので、あとは林道を戻るのみである。冠岩橋に出て、浦山大日堂バス停まで舗装路を歩く。浦山大日堂バス停には、綺麗に使われているトイレがあり、そこで着替えて一息ついてバスを待った。

<バス停のトイレ>

バス停の川を挟んだ対岸にある、秩父13仏霊場の浦山大日堂もついでにお参りをした。漁業券を取り扱う建物の後ろに看板や石碑が建てられ、赤い橋を渡ると大日堂に続く参道がある。

<浦山大日堂>

可愛い市営バスに乗車、西武秩父駅まで乗っても300円でした。運転手さんは、道中通りかかる方々と挨拶を交わし、車内には唱歌が流れ、ほのぼの寛げる空間でした。ただし、このユルキャラ・ポテくま君が描かれてる窓は、外の景色が見えず残念。

<可愛いぬくもり号>

西武秩父駅から急行池袋行きに乗り、飯能でFライナーに乗り換えることができて至便であった。特急電車には、秩父の名峰・武甲山と秩父夜祭が車体に描かれていた。祭りの湯の売店でアルコールを購入して、喉を潤しつつ車内で今日のご苦労様会をした。

<特急電車>

東急線沿線では、秩父方面は東急西武まるごと切符が各駅の券売機で購入できるので、便利である。私の場合は、570円お得でした。♪~

大持山や鳥首峠は、読図のルートを計画して次の機会に歩きたい。廃村あり、滝の登攀あり、読図もできて、いろいろ愉しめた冠岩沢でした。登れる小滝も数えきれないほどでしたし、何より沢登りは太陽の輝く下が一番です。

<アイキャッチ画像:下山時に見つけた茸>