要倉尾根から秋の陣馬山へ

高尾山付近の地図を眺めていて、トレースしたいなと思っていたところの一つが要倉尾根である。友人は、和田峠方面からこの尾根を下ったようであるが、反対に登って陣馬山へ向かうことにした。読図の練習にと計画したが、O氏の新しい『高尾山登山詳細図』にはしっかりルートが記載されていて、山行当日見て唖然とした私である。私の2011年発行の『高尾山登山詳細図』では空白なので興味が湧き、ネットや資料など調べたのに…。心中、逆に安堵したのも確かである。現在地を確認できること、向かう方向をコンパスで合わせることを確実に覚えたい!(^^)!


●期日:2017年10月24日(火曜日)実施  ●天気:曇り時々薄日程度(前日は台風21号通過)

●山域:陣馬山 東京から神奈川へ    ●メンバー:L=NN SO EN

●目的:地形図を確認して進む      ●地形図:五日市 与瀬

●ルート&コースタイム

JR高尾駅北口陣馬高原行バス1番線乗場8:30集合 8:34発(平日)→関場バス停下車9:00頃 関場バス停9:15…要倉尾根取り付き9:30…小沢を渡る10:00…尾根上に出る…三角点(▲549.3m)11:08…要倉山(▲562m)11:13/11:25…P573m…本郷山(▲650m)12:00…本宮山(高茶山▲732m)12:34…メシモリ岩山(▲750m)13:07…醍醐林道13:15…和田峠13:25/13:35…陣馬山(▲854.8m)13:55/14:25…一ノ尾尾根コース下山…一ノ尾テラス15:07…登山口標識舗装路15:40…上沢井バス停15:45/15:52乗車→藤野駅16:05/16:11乗車


平日と台風のあとのせいか、バスも座れ、関場で降りたのは私たち3人だけである。バス停前の駐車場で準備体操と身支度をして出発するが、O氏の地図が明瞭にルートが記載されているので、それに沿って陣馬高原方面を左に分けて、そのまま道なりに10分ほど歩く。台風の影響で、道路わきを流れる醍醐川も濁流であった。下の2人がいるところから登山開始である。

<前日の台風の影響で道路は濡れていた>

ツリフネソウやアザミが咲く道を登り始める。最初の黄色の杭を№78号方面左手に進み、東京電力の巡視路であろう踏み跡を黄色の杭も確認しながら登るが、濡れているうえざれていたり急であったりと悪い所もあった。私も念のため最初からストックを利用した。

<小沢を越える>

小沢を過ぎた先で方向を変え、この先で尾根上に出たので、衣類調節の休憩を取る。荷を置いて要倉尾根末端の鉄塔を確認ようと思ったが、案外と下るので直ぐに戻って、要倉山三角点峰を目差す。

<壊れた山名板と三角点>

直ぐに要倉山である。ここで、少し休む。

<テープが巻かれた要倉山>

<こちらの看板裏には設置者の名前があった>

草薮をトゲのあるものに注意して進むが、全体にそう藪は濃くなく、コウヤボウキが足元には多かった。この先で、平日ゆえかチェーンソウの音が響いていて、林業の方が一人働いていた。これまでの道中で、新しい切り株が見受けられた。その方に、「もう少し行くと展望がいいよ」と教えてくれて脇を通過、伐採地に出て周囲が見渡せた。要倉尾根で出会った人は、彼だけであった。

ピークの573mは分からず過ぎてしまったが、その先で右手に本郷山に至る明らかな尾根上の踏み跡を行き、本郷山をピストンした。

<本郷山はピストンで>

また、伐採地に戻りそのまま進む。対岸の山肌も綺麗に切り取られている。このあたりでは、4種類ほどの蝶がひらひらと舞っていた。

<広大な伐採地を行く>

やがて、本宮山=高茶山=金森山といろいろ名前がある山に着いた。

<名前が複数ある山>

沢の詰めのようなふくらはぎにくる急な所をゼイゼイしながら登りついたところが、メシモリ岩山であった。下には林道らしきものも見えていた。

<急な登りで到着>

メシモリ岩山からは、下るとすぐに醍醐林道へ飛び出す。左方向に向かい、醍醐丸方面の標識を右に分けると和田峠である。ここまでくればもう一般登山道なので、一安心である。茶店は営業中であるが、車は一台しか止まってなかったし、他にカップルがいたくらいである。車利用で和田峠まで入れば、30分足らずで陣馬山は登れるのだ。

<醍醐林道に出て一安心>

<駐車場は1台車が止まっていた>

トイレを済ませて、茶店の脇の急な方の階段を登る。階段は途中でとぎれてはいるが、陣馬山まで続く。やがて白い馬の頭が見え始めて、今年2回目の山頂に到着!春は賑やかであったが、今日は閑散としていても、登山者は散見できた。

<山頂には登山者もちらほら>

ベンチで熱いコーヒーを飲もうと、テルモスやガスセットも持参したのに、肝心のコーヒーを忘れていて…、白湯でごまかす。残~念!

富士山は見えなかったが、ススキを前景にして、丹沢方面や奥多摩方面が見えた。センブリの群落やアザミの花々も揺れて、秋山を実感した。清水茶屋だけ営業していて、静かな陣馬山でした。

<陣馬山頂付近の咲き誇っていたセンブリ>

<肌寒い風に揺れるススキ>

到着時間で下山路を決めたいと思っていたので、雲が厚くなり予定より時間が押しているので、一ノ尾根経由でバスで藤野駅に出ることにした。最初は矢張り階段状を下るが、やがて広く勾配の無い登山道が続き歩きやすかった。途中で一ノ尾テラスという、一休みできるところが設けられていた。

<雨宿りのシートとベンチがある一ノ尾テラス>

標識もたくさんあり、親切に各バス停に下れる案内も付いていたので、バスの時間を逆算して落合まで降りずに手前の上沢井バス停に出ることにした。バス停標識の反対側で待っていたがら5分ほどでバスが到着、藤野駅では高尾行きに接続していて無駄なく帰れた。

<上沢井に降りたところの標識>

今回は、スムーズに歩けたが、地形図により鉄塔の番号が変化していたり、一般登山道でないので、要倉尾根を末端から登るには入口が分かり難いのではと思った。以前は入れたところも入れなくなっていたりしているようだ。読図の山は、私有地を通過することも多々あるので、要注意である。コンパスを使用して読図を練習しながら、秋の風情を味わえた山行であった。また秋の花々を愛でながら、静かな陣馬山域を堪能できた一日でもあった。

出会った秋:ツリフネソウ・コウヤボウキ・アキノキリンソウ・ヨメナ・サラシナショウマ・センブリ・アザミ・マムシクサ・ススキ・キッコウハグマなど。

<アイキャッチ画像:伐採地に飛来していた蝶>