秋の西丹沢、非難小屋で一泊新

11月の連休の山行、諸事情で当初の南アルプスの予定を変更せざるをえず、Fさんの提案で近場の西丹沢に出かけることにした。道志側から入り、犬越路避難小屋泊りで大室山から檜洞丸の周回コースを計画した。天候の変化も著しかったが、紅葉も愛でて秋の丹沢を堪能できた。


●日時:2017年11月4日(土)~5日(日) ●山域:丹沢   ●形態:ピークハント

●天候:4日晴れ~曇り~夕方から雨、夜半からは曇り 5日:晴れ

●2万5千図:大室山、中川         ●参考:西丹沢登山詳細図

●メンバー:L=KF  MK  NN  3人

●ルート&コースタイム

11月4日(土)8:05神ノ川折花橋先の駐車場8:32→9:30休憩9:47→9:55鐘撞山(▲900m)10:05→10:58休憩11:20→12:35大室山(▲1587.6m)13:16→14:25犬越路避難小屋(▲1060m)泊

11月5日(日)犬越路避難小屋5:55→7:20休憩7:35→8:00矢駄尾根分岐8:08→熊笹ノ峰→8:45檜洞丸(▲1601m)9:45→同ルートを戻る →10:17矢駄尾根分岐10:30矢駄尾根下降→11:30▲850mの神之川林道11:55→12:25▲600mの神ノ川林道12:36→12:40トイレ→12:52山の神大社→13:20折花橋付近駐車場


JR中央線相模湖駅に7時に集合し、KFさんの車で出発!折花橋を過ぎ、小瀬トンネルの先に駐車して、身支度を整えて歩き始める。

<身支度中>

鐘撞山登山口から鐘撞山の手前50mまで、明瞭な踏み跡の急な坂を時にギグザグに順調に登った。一度休憩を取り、そこからひと登りで山頂へ。山頂には釣鐘(半鐘)があったので、各自鳴らしてみる。鐘は案外と響き、そばには祠もあった。

<鐘を撞く♪>

<祠もある鐘撞山で休憩>

ここから次の休憩までが、急でなおかつ道も悪いのでキツかった。西丹沢登山詳細図では、大室山東コースとされており、神奈川県と山梨県の境と重なっている。これまで誰ひとり合わず、静かな山旅であった。境界の白い杭も目標の参考になった。

ようやく自身初めての大室山に到着。休んでいるとピストンであろうか、数人の登山者が次々と来ては写真を撮っては元来た方へ戻ってゆく。私達もこの辺は神奈川県でこちらは山梨県、など言いながら記念写真をパチリ。そして今宵の宿、犬越え路避難小屋へ向かう。木段もあり、ジグザグの急な道を下ってゆくと、紅葉に中に小屋の屋根が見えてきた。

<やっと大室山に到着、山梨県側で>

<神奈川県側で一休み>

<紅葉の中を避難小屋へ向かう>

<檜洞丸方面を見る>

<避難小屋が眼下に>

<小屋の入り口と奥がトイレ>

小屋の窓から外を撮影、コルのテーブルに登山者が休んでいた。

<コルの登山者>

小屋で夕食や寝るための支度をしていると、小雨が降ってきた。大室山をピストンした登山者がトイレや休憩のため小屋に立ち寄る。どうみても登山に不慣れな数名が下山していったが、暗くなる前に小雨のうちに、無事に沢沿いの登山道を降りれたかどうか心配になる。

夕食は、kさん特製のトン汁に具沢山サラダである。今日の疲れ癒し、明日の活力を生むアルコールで乾杯する。そうこうするうち眠るが、私はうなされていたらしい。サスペンスもどきの夢を見ていたのを何となく覚えている。暑くもなく寒くもなく快適な一夜であった。

小屋では、雨で足止めされた登山者に余ったトン汁とご飯を提供、おかげで荷も減ってお互い様で助かった。今夜は、私達も入れて結局6人が泊まったがゆったり寝られた。夕方から夜半も雨が続たようだが、朝方には上がっていたので良かった。(*^^)v

<出発前の小屋で>

鮭茶漬けを済ませて、足元が見えるくらいの時間に小屋を後にした。肌寒い空気の中を歩き始めると段々体も暖まり、振り返れば小屋の屋根が見え隠れしていた。丸い残月も木立越しに紅葉の山肌から可愛らしくさようならのご挨拶。

<残月に見送られ…>

衣類調節や行動食のため、小笄あたりであろうか、一休みした。富士山もすっきりと見えてきて、昨日越えてきた大室山がどっしりとした山容で展望できた。大室山の左後ろ遙か遠くには、冠雪した南アルプスの山々が連なっていた。

鎖場も途中あったが、小笄と大笄は分からないまま通過したようで、熊笹の峰の手前の神ノ川ヒュッテに降りる分岐に到着。下りに取る矢駄尾根コースを確認後、檜洞丸に向かう。木段は霜柱で凍っており、切り株にはハートや檜洞丸の文字、富士山の絵が掘られていて、滑り止めになっているようだ。

<木道手前の切り株に檜洞の文字>

<富士を背に霜柱の登山道を登る>

檜洞丸は、西丹沢からつつじ新道経由で登り、犬越路避難小屋を覗いて用木沢出合に至る周回コースでつつじの頃に来たことがある。シロヤシオやヤマツツジなどの花や深緑の時期も素晴らしいが、冬枯れの展望がきく今回も異なる表情の丹沢に出会える。        

檜洞丸山頂は標識が沢山あり、祠の中には可愛いお地蔵さんが居た。外国の人も含めて何人もの人が、秋の山頂でのひとときを愉しんでいた。

<檜洞丸山頂で>

1分半の看板につられて青が岳山荘を見学、トイレの建物も洒落ていたが、財布をザックに入れたままなので拝借できず残念。なんだかんだ、ぽかぽか陽気の山頂で一時間ほど寛いでしまった3人でした。

<一目瞭然の青が岳山荘、左奥の建物がトイレ>

快晴の中、すっきりした富士山が清々しい。

<富士山>

熊笹の峰の先の分岐まで戻り、ここから矢駄尾根コースを降りる。木段が多くあり、分かり難いところはトラロープや注意書きもあって助かる。

<矢駄尾根の下山路の土止め>

ブナの美しい林を下り、この先の急な個所は歩きにくかったが、登ってきた2人とすれ違う。その後も含めて下山路では、数人と出会った。一度標高850m付近で神ノ川林道に降りるが、再び登山道に入り標高600mあたりで再び神ノ川林道の舗装路に降り立つ。そこからは左方向に進み、ゲートを出て日陰沢橋の立派なトイレの建物があるので使用させていただく。

<標識と現在位置を確認>

<日陰沢橋付近のトイレ>

神ノ川の対岸の山肌の紅葉を愛でつ、駐車場へと歩を進める。

<舗装路を駐車場へ>

長者舎と呼ばれる辺りには、山ノ神大社も祀られている。しばらくして、昨日歩いた鐘撞山への登り口を通過すれば、Fさんの車が見えてくる。

<山の神大社>

神ノ川周辺には、謂れなどを記載した手作りの説明板が神社や石碑にあり、親切である。

<神ノ川あたりの石碑と説明板>

車の枯れ葉を取り除いてから、荷を整理して帰路に就く。2日間の汗を流すべく、いやしの湯(700円)へ向かう。ぬるくていつまでも入っていられる源泉と温めた湯と露天風呂のシンプルな施設であるが、心地よかった。地元の野菜を購入できるのも楽しみの一つで、私は子芋と春菊と紫玉ねぎを購入した。食堂で、2人は豚カツ定食、私はエビフライ定食(800円)を注文したが、美味しくて量もあるのでご飯を減らして頂いた。

今回初めて終始ダブルストックで歩いた。日帰りの装備では大丈夫であるが、昔の古傷の膝の負担を軽くするためであるが、やはり足が少し楽であったようだ。水を担がなければならないが、犬越路避難小屋は快適に過ごせる。丹沢は、崩壊地など多く、鎖場や木段、木道も整備しているが、痩せ尾根もあるので要注意。野菊の花以外に紫色のリンドウが可憐に咲いていた。久しぶりの西丹沢で紅葉も愛で秋山を満喫できた。

<アイキャッチ画像:神ノ川の流れ>