奥多摩・ネズミサス尾根を登りタル沢尾根を下る

読図をしながら、奥多摩の鷹ノ巣山から石尾根の北側に派生する尾根を登って降りる計画である。日原からネズミサス尾根を登り、将門馬場からタル沢尾根を下る周回コースは、10月に一度企画したのだが悪天で中止、やっと今回実施に至った。冬至の翌日ゆえ日暮れが早いので、ペース配分には気を使った。メンバーの足並みが揃っていたので、15時30分には東日原のバス停に帰着できた。師走の中、奥多摩で充実した一日を過ごせた。


●2017年12月23日 土曜日  ●天気:晴れ

●山域:奥多摩 石尾根北側  ●読図山行   ●2万5千地形図:武蔵日原 奥多摩湖

●参考:奥多摩登山詳細図西編、「静かなる尾根歩き」松浦隆康 著

●メンバー:L=NN SL=MK KH AM MW AY KK SH  (8名)

●ルートとコースタイム

奥多摩駅ホリデー快速8:21着、8:35発バスにて東日原バスへ

東日原バス停無自宅後出発9:20…巳の戸橋…木橋を渡る…9:40ネズミサス尾根末端…10:14休憩▲600m辺尾根上10:20…11:55カラ沢尾根合流(▲1340m)…12:20カラ沢の頭(▲1490m)休憩12:50…石尾根…13:05将門馬場(▲1455m)…13:32広い形状のところ(▲1297m)…13:45鹿柵…14:20工事広場を見る…14:30大岩…14:55伐採地…15:15吊橋…15:30東日原バス停/16:17バスにて奥多摩駅→16:52ホリデー快速乗車       ※河辺の温泉♨立ち寄り組と帰宅組に分かれて解散


奥多摩駅に集合、バスに乗車して終点の東日原へ。バスは、多くの登山者で満席であった。バス停で、トイレや身支度を済ませてから出発。駐在所の登山ポストに計画書を投函して、その先の水場で水を汲んだ後、左手の指導標に沿って舗装路から巳の戸橋へ降りてゆく。橋を渡ってから標識を左手に進み、下の写真の木の橋で沢を渡る。そこから尾根の末端の岩混じりの所を、4人は左から巻く踏み跡を伝ってジグザグに登り尾根に上がり、他の4人は岩混じりの所を直登した。ネズミサス尾根の稲村岩が良く見える600m付近で、休憩。衣類調節や水分摂取したが、ここまでに結構時間がかかったうえ地図上では全然進んでない事が分かり、少々焦った。何しろ冬至の翌日であり山あいの日暮れは早いので。

<渡った木の橋を俯瞰する>

急な所もあるが、総じて明るいネズミサス尾根を高度を稼いで登って行く。

<ネズミサス尾根>

トップを交代しながら、順調に高度を上げてゆく。が、「キャー」なんと熊の糞があるではないか!!!それも一つや二つでなく、沢山あった。歩きながら見えた範囲でも、20~30以上はあったと思う。「こんなに熊の糞を見たのは初めて!」と皆驚くばかり。8人で賑やかに歩いていたが、一応熊鈴も付けていた。

<沢山の熊の落し物…>

ネズミサス尾根は、実は熊の糞だらけ尾根であった!そうこうするうちに、カラ沢尾根との合流する辺りに出て、そこからひと登りでカラ沢の頭に着く。

<カラ沢の頭に到着>

カラ沢の頭のそばの日当たりの良い所で休憩を取る。石尾根縦走路に出たので、流石に登山者が数人通過する。日溜りハイクには、絶好の日和であった。ここまで、ネズミサス尾根上部では落ち葉にうっすらと雪の名残が少し見えただけであった。

<丸いカラ沢の頭>

休憩後、石尾根縦走路を六つ石山方面へ進む。下りに差し掛かる所で一般登山道を分けて、踏み跡を辿るとだだっ広い将門馬場に到着。縦走路からは外れているので、私も実は初めて踏んだかも。日差しが眩しいほどで、皆で記念写真をパチリ。

<将門馬場で>

<眩しいほど>

そこは広く平らでありタル沢尾根に入るので、また地形図を見ながら進み、モノレール軌道や鹿柵など人工物と出会う。ブルーシートなども右手脇の下に垣間見えた。

<モノレール軌道も目安>

<鹿柵>

<右側に工事広場>

落葉の急斜面も滑りながらも降りてゆくと、大岩に出会う。この大岩は、左側から巻いて降りることができ虎ロープも設置されていた。この岩場の通過は、マタギの山勘をもつKFさんが活躍、2人は大岩の間を降りた。雨が少なかったせいか、案外と苔も滑らなかったとのこと。

<大岩を降りる>

そこから先で、左方向に細い岩尾根を降りつつ伐採地に入る。その辺りから対岸を眺めると、採石場が白く目に飛び込んできた。この岩尾根と伐採地が意外と悪かった。

<伐採地から対岸を見る>

伐採地からは、明瞭な仕事道をジグザグに縫うように下り、日原川に出て川に沿って進むと吊橋に出会う。

<吊橋を渡る>

吊橋から川沿いの登山道を日原方面へ進み、舗装路に出てからバス通りに出るため人家の脇の階段をあがりきると、なんと目の前に東日原バス停が。どんぴしゃり。\(^o^)/

今日は日照時間との闘いで、石尾根以外では登りも下りも誰にも会わなかった。気象条件にも恵まれ、雪もなく、落ち葉の下の土が多少凍った箇所があったが大したことはなかった。ピッケル、軽アイゼンは持参したが、今日は使うこともなくストックで十分であった。

冬枯れの山は、展望もきくので読図にも最適である。下山もエスケープルートとして一般縦走路も考えたが、予定通り遂行できて良かった。それにしても、ネズミサス尾根での沢山の熊の落し物には驚いた。8人いたので心強かったが、タル沢尾根の途中で鹿の群れは見たのだが、熊にも何処かで視られていたのかもしれない。

私は、大雪山系で遠くにヒグマを、奥多摩の平岩山、中央線沿線の滝子山の沢と西丹沢の沢で熊と至近距離で遭遇している。何れも熊の方が逃げてくれたので助かったが。出合頭では、とっさに何もできないです…。

<アイキャッチ画像:日原川の流れ>